① 焼却炉の燃焼室熱負荷が低すぎる。
② 燃焼室容積が想定より狭く評価されている。
③ 燃焼ガスの滞留時間。
④ 投入方法の問題点。
⑤ 空気供給の不備。
⑥ 発熱量調節の不備。

                                                                                                  

 この焼却炉は九州の宮崎県延岡市にある、オイルリサイクル社が開発した焼却炉です。
オイルリサイクル社は、廃油を精製し再生オイルを造ることを正業としています。
精製して、最後に残る廃棄油を焼却処理するために開発された焼却炉です。
廃油は、そもそも高カロリーで燃えやすい廃棄物です、ですから通常の産業廃棄物の
焼却炉に比べ
焼却炉の容積が大きくなっています。
                                                       
 オイルリサイクル社は、 大量の廃棄油を安定した処理を行うために、混合比に合わせ
他の廃棄物を自社で収集しています
この様に高カロリーで燃えやすい廃棄物を大量に
燃やすために廃棄物の混合比を慎重に考えながら、安定した焼却を確保しています。
それでも、燃焼温度を安定させるのに苦労しているとの話です。
                                                      

 
この焼却炉は、特殊な焼却炉です。 一般の産業廃棄物の焼却炉には、適し
ていません。

 この二十年間で、開発したオイルリサイクル社以外で、この焼却炉を採用した会社は
二か所しか有りません。一般の産業廃棄物焼却炉に適していれば、もっと多くの企業に
採用されているはずです。  

① 燃焼ガス温度の問題点
② CO濃度の問題点。
③ 排ガス量の問題点

〇 テスト運転中に、燃焼温度が上がらないので、バーナーの油の使用量が想定量を
  越してしまい、急きょ大量の油を購入したため、消防違反を犯した。
〇 テスト運転中に、しばしばCOオーバーになるので、絶えず補助バーナーを使用している。
〇 裁判の中で、業者が「県に廃棄物をもっと投入する様に言われ、投入量を増やしたため
  COオーバーと熱しゃく減量オーバー」したと述べています。このことから、燃焼室の温度が
  上がらないので、投入量を増やしたと思われます。そのためにCOオーバーと熱しゃく減量
  オーバーに至ったのでしょう。